リミット

Buried
73点
原題:Buried (埋められた)
公式HP:http://limit.gaga.ne.jp/
試写会場:シネマート六本木(by Nifty映画様)
監督:ロドリゴ・コルテス
出演:ライアン・レイノルズ
製作:スペイン(2010年)

〈ストーリー〉
目覚めると、真っ暗な棺の中に入れられていたポール・コンロイ(ライアン・レイノルズ)。
手元にあるのは、Zippoのライター。バッテリーが残り少ない携帯電話のみ。
アメリカの運送会社CRTから雇われて、イラクで荷物を運んでいたところを武装集団に襲われて埋められたのだ。
とりあえずアメリカにいる妻に電話するが、留守電。
友人や、FBI、会社にも電話するが、一向に助けが来てくれそうにない。
そのうち犯人から電話がかかって来て、助けて欲しければ500万USドル用意しろと言われる。
(公開前のため、ストーリーはここまで)

〈感想〉
完全にアメリカ批判の映画と見た。
勝手に他国を攻撃して、復興という名のもと、自国の企業を現地に送って、そこで人質が出ても全く助けない。
ひどい話だ。
というか、こうゆう危険があるとわかっていても、イラクに出稼ぎに行く主人公も悪いけど。
ネタバレになるから言えないけど、結末は、現実的。

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リミッツ・オブ・コントロール

Limitsofcontrol
60点
原題: The Limits of Control (自制心の制限)
公式サイト: http://loc-movie.jp/index.html
試写会場: よみうりホール(by 映画生活様、映画ジャッジ様、いつもありがとうございます)
監督: ジム・ジャームッシュ
出演: イザック・ド・バンコレ、アレックス・デスカス、ジャン=フランソワ・ステヴナン、ティルダ・スウィントン、工藤夕貴、ジョン・ハート、ガエル・ガルシア・ベルナル、ヒアム・アッバス、ビル・マーレイ
製作国: スペイン=アメリカ(2006年)

〈ストーリー〉
一人の男が、ある人物を殺すよう依頼されて、パリの空港からマドリッドに降り立つ。
そこで指示通りタワーの部屋に行くと、見知らぬ女が裸で横たわって質問する。
"Tu no hablas Espanol, verdad?(アンタ、スペイン語話せないんだって?)"
そして、パリで受け取ったマッチ箱と交換に、その女性からマッチ箱を受け取る。
また街のカフェで、2つのカップのエスプレッソを頼み、そこで金髪の女から質問される。
"Usted no habla Espanol, verdad?"
(公開前のため、ストーリーはここまで)

〈感想〉
ストーリーがいつまで経っても、何も展開せず、淡々とスペインのあちこちを移動していく、ある意味、非常につまらない映画。
私は、英語のセリフやスペイン語のセリフをある程度楽しめるから、そこそこ楽しかった。
会う人すべてが「スペイン語話せないんだって?」と質問するのだが、多分スペイン語ネイティブ・スピーカーは主語が"Tu"で、工藤夕貴はじめそれ以外の言語を母国語とする人は"Usted"を使っているのが面白い。
さらに、その質問以外はみんな英語で話すのだが、"..... by any chance?"というセリフが出ると、みなそこから故事を語り始めて、その故事がまったく意味不明。
しかしその故事が、いろんな場面、場面で視覚的に登場したりするのが、面白い。
唯一、セリフじゃない故事は、フラメンコのカンタオールの歌詞が、そのままラストに出てきて、ターゲットが現れるところ。
私の理解によると、この映画は、現実というよりも、人間の意識を映像化したものだ。
ラスト近くの「どうやって入ったんだ?」という質問に"I used my imagination"と応えるところが、すべてを物語っている。
つまり、自分の回りで何が起こっても、自分の意思をコントロールして、自分の想像力を使って世界の邪念に打ち勝とう!という意味だと思うんだけど、、、、。違うかな?

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永遠のこどもたち

Elorfanato
点数: 70点
原題: El Orfanato (児童養護施設)
公式サイト: http://www.cinemacafe.net/official/eien-kodomo/
映画館: 109シネマズ川崎(スクリーン5)
監督: J・A・バヨナ
出演: ベレン・ルエダ、フェルナンド・カヨ、ロジェール・プリンセプ、ジェラルディン・チャップリン、マベル・リベラ
製作国: スペイン、メキシコ(2007)

〈ストーリー〉
小さな頃過ごした孤児院の館に新居として引っ越してきたラウラ(ベレン・ルエダ)。
ラウラは医師である夫のカルロス(フェルナンド・カヨ)との間で、養子のシモン(ロジェール・プリンセプ)を育てていた。
シモンはもともと空想癖があったが、今の家に引っ越して来てからより行動が激しくなり、ある日誰から聞いたのかシモンが養子でHIV感染症のため長生きできないことをラウラに問い詰める。
そしてラウラが念願だった孤児院をこの館で開くオープニングパーティのときに、シモンがいなくなってしまう。
その日以来ラウラの身に不思議な現象が起き始めた。
(公開間もないため、ストーリーはここまで)

<感想>
ホラー映画だと知らずにGuillermo Del Toro作品だと思って観に行った。
かつてこういったテーマの映画は何度も作られたことがあるが、舞台がスペインになると何か不思議な映画に仕上がっている。
霊に対する考え方の国によって違うことを知らされる作品。
ただラストは納得行かないなあ。何故ああなっちゃうの?罪の意識?

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パンズラビリンス

Laberinto1
70点
原題:El laberinto del fauno(ファウヌスの迷宮)
公式サイト: http://www.panslabyrinth.jp/
映画館:川崎チネチッタ
劇場:チネ8
監督: ギエルモ・デル・トロ
主演: イバナ・バケロ、セルジ・ロペス、マリペル・ペルドゥ
製作国:スペイン=メキシコ(2006年)

<ストーリー>
1944年フランコ政権下のスペイン。
おとぎ話が大好きなオフェリア(イバナ・バケロ)は、臨月の母親とともに新しい父親である大尉の元にやって来た。
しかし父親は冷酷な軍人で、ゲリラと疑わしいだけの村人をなんのためらいもなく殺してしまうような人間。
外の平和とは言えない世界に夢を持てないオフェリアは、敷地内にある迷路に誰も知らない世界があることを知り、そこで会った半獣人パンの指導のもと、彼女が進むべき世界を目指して試練に挑む。

<感想>
単純なファンタジー映画かと思いきや、実は第二次世界大戦時の独裁政権下のスペイン人のレジスタンス精神を描いた、どっちかと言うと『サルバドールの朝』的な結構暗い映画。
当初オフェリアのファンタジーの世界と、外でおきているレジスタンス戦の関係がよくわからなかったが、途中でオフェリアの気持ちが、独裁政権に悩むスペイン国民の気持ちを代弁していることに気づいた。
ファンタジーの中でしか、幸せを見出せなかったかわいそうなオフェリアに対し、レジスタンスの一員で権力と戦い現実の世界で理想を手に入れようとするメルセデス(マリペル・ペルドゥ)。
一見対照的だけど、二人が目指しているのは同じもの。
ラストがちょっと辛いけど、オフェリアのような戦う人たちのおかげで、スペイン人は平和を手に入れたんだなあ(でもその後もサルバドールみたいな人が1970年代までいたのはどうゆうことなんだろう?)。
ところで、メルセデス役の女優さん、一目見てすぐに『天国の口、終わりの楽園。』に出てた人だってわかった。『天国の口』のときは、ガエルやディエゴが一目惚れしてしまうような美人に見えなかったが、この映画で戦うメルセデス役を見ていると結構美人に見えた。セックスに生きる女よりも戦う女のほうがきれいに見えるのは私だけ?

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サルバドールの朝

Salvador2
65点
原題: Salvador Puig Antich(サルバドール・プッチ・アンティック)
公式サイト: http://www.salvadornoasa.com/
試写会場: ドイツ文化ホール(by cinemacafe)
監督: マヌエル・ウエルガ
主演: ダニエル・ブリュール、トリスタン・ウヨア、レオナルド・スバラグリア、ホエル・ホアン、セルソ・ブガーリョ
製作国:スペイン(2006年)

<ストーリー>
1970年代初頭のバルセロナ。フランコ大統領独裁政権下で、スペインは言動の自由が束縛されており、反政府的ビラを配っただけで、マンションの屋上から大学生の若者の死体が落とされるような世の中だった。
そんな中で、当時普通のスペインの若者だったサルバドール(通称「サルバ」:ダニエル・ブリュール)は、自分の中に眠っている情熱を反政府デモに捧げて、銀行強盗をして資金を稼いでは武器を調達していた。
ある日、警察が張り込むカフェで仲間に会いにいったところを警察に押さえられ、自分を防衛するために銃をはなったところ1人の警官に当たって死亡させてしまう。
それを罪に問われ証拠不十分なまま、死刑判決を受けてしまうサルバ。
サルバを必死で救おうとする兄弟姉妹達と、サルバに一切かかわらない父親、、、。
結末でサルバが目にした光景は、、、、。
(公開前のため、ストーリーはここまで)

<感想>
以前から知っていたドイツ人俳優のダニエル・ブリュール君がスペイン映画に出るってことで、私の注目は終始、彼のスペイン語が吹き替え無しの本物か?というところに向いてしまいました。
でも、、、、この映画、スペイン映画ってことに日本ではなっていますが、実は全編バルセロナの現地語であるカタルーニャ語で撮影されているみたいで、「スペイン語を話せ!!」と監修員が命令した後以外は、ほぼカタルーニャ語の映画みたいです。
私が今まで見たことのあるスペイン映画は、たとえ地方が舞台の映画でも常にスペイン語(カスティヤーノ"castellano"と言います)だったので、この映画みたいにカタルーニャで全編撮った映画を日本で見るのは、ちょっと感動的。
カスティヤーノとカタルーニャの違いは何?って言われてもわかりませんが、今日映画で見ている限り、少なくともカタルーニャ語では、"G"を「ジ」みたいに発音するみたいです(スペイン語では、「ガ」「グ」「ゴ」か、「ヒ」「ヘ」と発音)。
そんなことはどうでもいいですね。肝心の映画です。
まるで日本の第二次世界大戦後の軍事裁判みたいに、サルバは何の弁明もできないまま死刑が宣告されます。
映画は、彼が刑務所に入る前の部分も結構な時間描かれていますが、私の記憶では刑務所に入る前のストーリーは欠落し、入所後の彼の生活と思考しか覚えていません。
そんなことは私には、はっきり言ってどうでもいいんです。
ラストの、彼と父親の交わりのシーンで、私の邪念はすべて吹っ飛びました。
これって、これって、ひどすぎない?
サルバが刑務所に入ってから一度も面会に来ないサルバの父親って、私が東京に来てから四半世紀が過ぎるのに、東京の私の家に来てくれない私の家族と重ね合わさって、なんか妙に無情さを感じてしまった私です。

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