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ノーボーイズ、ノークライ

Noboysnocry
75点
原題: The Boat(ボート)
公式サイト: http://www.noboysnocry.com/index.html
映画館: 川崎チネチッタ(チネ4)
監督: キム・ヨンナム
出演: 妻夫木聡、ハ・ジョンウ、チャ・スヨン、徳永えり、イ・デヨン、キム・ブソン、貫地谷しほり
製作国: 日本、韓国(2009年)

〈ストーリー〉
韓国の釜山から日本の山口まで、夜な夜な小さなボートで運び屋をやっているヒョング(ハ・ジョンウ)。
山口の沖合から、彼のボートを招き入れるのは、何故か挨拶に「ヨボセヨ(もしもし)」というダサい亨(妻夫木聡)。
こんにちはは、「アンニョンハセヨ」で「ヨボセヨ」じゃないと何度説明しても、理解してくれない亨のことを"ヨボセヨ"とヒョングはバカにして呼び、日本でヤクザをする叔父の組からも亨はバカにされていた。
ある日、いつと違い、人間を日本に運ぶように依頼されたヒョング。
そこから今までの2人の関係が壊れ、人間としての表情が見え、お互い仲良くなっていく。
(公開されて間もないいため、ストーリーはここまで)

〈感想〉
日本では、主役は妻夫木聡クンとなっているが、実際はヒョング役のハ・ジョンウ氏。
『チェイサー』での猟奇的な役もよかったけど、この半分チャランポランで、半分必死な役もすごい素敵。
一方相手役の妻夫木クンの役。
妻夫木クンがいけないというよりも、この役は、好青年なイメージの俳優さんより、もうちょっと悪い役もやったことある人のほうがよりよかったような気がする。
もちろん、妻夫木氏の演技がいけないわけじゃなくて、韓国語もかなり頑張って上手だったし(男の人から習ったのかと思ったら女の人からだったけど)、韓国語のセリフを話ながらの演技も完璧で上手なんだけど、彼が持つ普段の役のイメージから、この人が悪い人のわけがないと、日本人なら誰しも思ってしまう。
よって、悪人か善人かわからないような場面でも、日本人なら「当然、亨は善い人だろう」という先入観を持って観てしまうし、まあ脚本もそのとおり進むので問題ないかもしれないが、もっとまっさらな気持ちで観れないのが残念。
例えば『チェイサー』のハ・ジョンウ氏を観たとき、ハ・ジョンウ氏に対するイメージがまったく無いから、この人は次に何をしでかすかわからないから、ずっと緊張感を持って観ていられる。
でも、妻夫木氏の場合、ある程度「いい人」という先入観があるから、彼がたとえ実の妹を蹴ろうが何しようが、やっぱりいい人として観てしまう。
それでも、妹を蹴っちゃう妻夫木氏の汚れ役を観るだけですごかったんだけどね。
(と言いつつ、妻夫木クンって『クワイエットルームへようこそ』とか『闇の子供たち』で、まともじゃない変な役やってるか。でもそのときは主役じゃないからね)

何はともかく、この映画の主題は、ズバリ『家族』で、亨もヒョングも、誘拐されたチスも、みんな家族のことを思って、必至な行動に出る。
自分一人なら生きていくのが楽なのに、家族がいるために苦労し、家族のためなら何でもするという、日本的には曖昧な、韓国的には絶対的な愛を描いた直球系映画。

韓国映画ファンには物足りないかもしれないけど、韓国映画にこれから触れる人にはお勧めの韓国映画(的日本映画)。

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