« 3時10分、決断のとき | トップページ | 女の子ものがたり »

しんぼる

Symbol
70点
公式サイト: http://symbol-movie.jp/
試写会場: 丸の内ピカデリー1(via A様、いつもありがとうございます)
監督: 松本人志
出演: 松本人志
製作国: 日本(2009年)

〈ストーリー〉
メキシコのとある田舎町。
ルチャドールの父親を筆頭に、肝っ玉母さん、おじいちゃん、小学生の息子とお姉ちゃん、さらに職を転々とするアバズレ姉ちゃんがいる家族は、平凡な暮らしを送っていた。
一方、目が覚めると八方を白い壁に囲まれた部屋で目を覚ました男(松本人志)は、自分のおかれた状況がつかめず困惑する。
そのうち、壁のある点に、おかしな形をした突起物を発見する。その突起物を押すと、天使が壁から出てきて、さらに壁に消えて行き、今度は壁と床まで天使の突起物でいっぱいになった。
突起物を押すと、どこからかハブラシや拡声器など、その突起物独特の品物が出てくる。
しかし、男が望むのは、物ではなくこの部屋から脱出すること。
果たして男は部屋から脱出できるのか?
(公開前のため、ストーリーはここまで)

〈感想〉
冒頭いきなりメキシコが舞台で、ストーリーも出演者もいないと聞いていたので、度肝を抜かれた。
さらに、メキシコ家族と、パジャマ男は一向にリンクしないまま、物語が進む。
いつになったらリンクするのかと思ったら、いきなり、唐突に一気にリンクした。
映画は各パートにテーマがあって、まず『修行』、次に『実践』、最後に『未来』へと続く。
途中、意味がわからなく、無駄に長いと思われる場面もあったが、全編で93分という長さを考えればいつか終わるだろうと、安心して観ていられた。
で、この映画はストーリーは無さそうに見えるが、テーマはものすごいはっきりしていて、日常に人間が持つ普通の生活と、欲望、さらに全世界がどこかでつながっていることを表している。
(ここからネタバレなので、反転します)
本来の男の望みは、部屋から脱出することだが、目の前に何かもっと小さな目的があると、それを思いっきり達成しようとする。
例えば、握り寿司とガリはあるのに、醤油が無いと、ひたすら醤油を求める。マンガを5巻まで読み終えると次は6巻が読みたくなる、といった具合にだ。
本来なら、そんな寄り道している暇はなく、早く脱出することを考えたほうがいいのに、目の前にある小さな欲求を満たそうとする。
そしてリンクの部分だが、第一ステージの『修行』をクリアした男は、第二ステージの『実践』へと進む。
実践の場でも、第一ステージと似たような突起物があるが、それを押しても男のまわりには何も起きず、変わりに世界のどこかで何か特別なことが起きる。
たとえば自分では何気なく捨てたゴミが、温暖化を引き起こし、地球のどこかでホッキョクグマが死んだり、ハリケーンが起きて被害に遭う人がいるのを表現しているのだと思う。

舞台挨拶で、『心をニュートラルにして観てください』とのことだったが、先入観を何も持たずに観ると、結構哲学的で面白いかも。

|

« 3時10分、決断のとき | トップページ | 女の子ものがたり »