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象の背中

Zounosenaka_1


70点
公式サイト: http://www.zo-nosenaka.jp/
試写会場: 丸の内ピカデリー1(by Exciteシネマ via D さん)
監督: 井坂聡
主演: 役所広司、今井美樹、塩谷瞬、南沢奈央、井川遥、高橋克実、白井晃、益岡徹、手塚理美、笹野高史、伊武雅刀、岸部一徳
製作国:日本、中国(2007年)

<ストーリー>
不動産会社部長の藤山幸弘(役所広司)は、軽い気持ちで病院で検査を受けたところ、末期肺がんで、他の部位にも転移していて、このままだと余命6ヶ月と宣告される。
家でも、会社でも、愛人の元でも、最初はうまく現実が受けとめれずに戸惑いを見せた幸弘だったが、そのうち治療や延命処置を一切受けずに、死ぬまでまっとうに生きることを決意する。
死を目前にして、自分の過去の人々に会って思いを告げたいと思ったが、現実は彼がお礼を言いたい人だけがこの世にいるわけではなく、彼がお詫びを言わなくてはいけない人間もいることを知る。
それでも、毎日淡々と死ぬまで生き続ける幸弘だったが、、、。

<感想>
今年、役所広司さんの映画は、『叫』、『アルゼンチンババアア』、『バベル』に続いて4本目だが、これが一番彼の役者としての良さが出ている気がする。
というか、彼をフィーチャーするためにこの映画があったのではないかと言えるほど、彼の演技の上手さ+お得意分野が大炸裂している。
映画のストーリーは同じ思いを過去に経験した人が見ると、多分涙で見ていられない映画なんだろうけど、私は幸か不幸かその経験無し。
ってことで、役所さん以外の役者さんの演技や演出が妙に気になった。
まず、奥様役の今井美樹さん。演技が下手とかそういうことは全然無いけど、あの年齢にして昔ながらのスレンダーな体系+昔と変わらぬヘアスタイルを維持されてて、そこが妙に生活感の無さを感じて、とても塩谷瞬クンのお母様役という役に見えなかった。その生活感の無さが、末期がん患者を支える妻という役にも見えなくて、どちらかというと愛人役の井川遥さんのほうにばかり、私は感情移入してしまった。
妻は夫に敬語を使うような仲だから、本音を言いたいときに幸弘は愛人の元に行っちゃうんだよね。
それに、今どきあんなに仲のいい家族って存在するのかな?(しかも父親には愛人がいるのに)

俳優さん達の配置はともかく、このストーリーというか幸弘が取った行動には、まったくもって私も共感する。
というのも、実は数年前までガン=やたら悲惨な治療をして苦しみながら死ぬ、と思っていたのだが、海外在住で日本の医療体制と違う世界を体験している方の話から、ガン患者でももっと安らかに死ねることを知った(つまり抗がん剤でボロボロとかにならずに、病気が原因で死ねる)。
かの国では、ガンだろうがそうやって安らかに死ねるそうだと聞いて、もし私がガンとか不治の病になったら、延命治療とかしないで、自然に人生をまっとうしたいと思っていた。
この映画は、そんな私の気持ちにちょっとだけ勇気をくれる映画。
何故いっぱい勇気をくれないかというと、末期で入居するホスピスに私のような貧乏人は行けないから。
自宅でもあんな風に死ねるといいなあ。

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