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あなたになら言える秘密のこと

Secretlife
72点
原題: The secret life of words/La Vida secreta de las palabras (言葉の秘密の人生)
公式サイトhttp://www.himitsunokoto.jp/
試写会場: 増上寺 光摂殿
監督: イザベル・コヘット
主演: サラ・ポーリー 、ティム・ロビンス 、ハビエル・カマラ 、エディ・マーサン 、スティーヴン・マッキントッシュ 、ジュリー・クリスティ、レオノール・ワトリング
製作国:スペイン (2005年)

<ストーリー>
工場で淡々と真面目に働くハンナ(サラ・ポーリー)。彼女のランチボックスは、白米とチキンナゲットとりんご半分のみ。
家に帰ってから食べる夕食もランチとまったく同じもの。
ある日あまりにも休みを取らない彼女に対して組合から苦情を受けた工場長は、彼女に対して強制的に一ヶ月の休暇を与える。
工場長が勧めたのは南国リゾートだったのに、彼女がやって来たのは、北の田舎町。
レストランで携帯電話で話している男の話から看護婦が必要なことを知り、元看護婦の彼女は自分がその仕事を請けることを申し出る。
彼女が看護するのは、海の中に立つ人工的孤島のような石油採掘場で事故に会ったジョセフ(ティム・ロビンス)だった。
ジョセフは、火災でひどいやけどを負い、かつ角膜を傷つけたため2週間は移動させることもできずに、孤島の小さな保健室で介護する必要があった。
ハンナの顔が見えないジョセフは、心を閉ざした彼女にいろいろと冗談を言って彼女の心を開いて行く。
ジョセフ以外にも、その孤島に残った数名のスタッフは、ハンナと同様孤独を好む人間ばかりで、彼らと過ごすうちにハンナの心は少しずつ変化していく。
(公開前のため、ストーリーはここまで)

<感想>
ティム・ロビンスがこんなにヨーロッパ映画の中に溶け込める俳優さんだったなんて、びっくりした。
と言っても『シンデレラ・マン』くらいしか今まで観たこと無いけど、『シンデレラ・マン』の彼よりは、こっちのほうが相当彼の風貌や芸風に合っていた。
サラ・ポーリーもアメリカ人とは思えないほど、この暗い役どころが合っている。
『死ぬまでにしたい10のこと』もそうだったと思うけど、ほとんどスッピンなんじゃないだろうか。
ティム・ロビンスは本当にうまくて、ボソボソっとしゃべるセリフがとってもリアルで、ヤケドのメイクが下手じゃなかったらまるでドキュメンタリー映画みたいに、セリフが自然。
ただこの映画の一番重要とも言える場面の、字幕にはちょっとキレた。
というのも、ティムの口から秘密の内容を聞きたかったのに、その1秒前には日本語字幕でこれから言うことがわかってしまったからだ。
病床のティム演じるジョセフがハンナに耳を彼の口に近づけるように言って、その秘密を告白する場面で、"I can't ○○"と言うのだが、彼の口から聞く前に字幕で内容を知りたくなかった。
結構相当頭に来たので、それからしばらくは字幕を見るのをやめたくらいだ(っていうか、だったら最初から字幕を見なきゃいいんだけど)。
香港映画とかだと、字幕は実際のセリフよりちょっと遅めに出ると思うんだけど、日本でもそうしてくれればいいのに、、、、。

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どろろ

Dororo
点数: 80点
公式サイト: www.dororo.jp/
映画館: チネチッタ
劇場: チネ8
監督: 塩田明彦
主演: 妻夫木聡 、柴咲コウ 、瑛太 、原田美枝子 、中井貴一、杉本哲太 、麻生久美子、土屋アンナ
製作国: 日本 (2006年)

ストーリー
長い間戦乱が続く世の中。国を統一したいと強く望む武将の醍醐景光(中井貴一)は、間もなく生まれるわが子の体を48の魔物に分け与える約束をする。
その子の名前は百鬼丸(妻夫木聡)。ある日たらいに乗って川を流れているところを、天才的医師の寿海(原田芳雄)に拾われ、何も無い体に人工的な部品をつけてもらった。
寿海の死後、彼の体を身につけている魔物を倒すと、その部位が自分のものになることを知り、国中を旅して回って魔物と戦い自分の体を取り戻して行く。
旅の最中に、コソ泥のどろろ(柴咲コウ)が百鬼丸の左手についている刀を目当てに勝手に旅についてくるようになる。どろろは、幼い頃自分の親を醍醐景光に殺され、復讐するために百鬼丸の刀が欲しかったのだ。
(公開間もないため、ストーリーはここまで)

<感想>
エンターテインメント映画としては、日本映画の中で最高峰を行っていると思う。
ストーリーもいいけど、アクションも良くて、香港アクション映画的ワイヤーアクションがあちこちに使われていて、日本でもワイヤーを使ったアクション映画が作れるんだーと感動。
もちろん、ジェット・リーみたいにうまくは動けないが、日本の役者さんとしては妻夫木クンのアクションは十分お上手です。
アジアン・マーケットにも売り込めそうな、すっごいいい娯楽映画。
邦画が本当に面白くなったことを実感。
ただ、続編を匂わせるエンディングはちょっと苦手だな。

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幸せのちから

Happyness
74点
原題: The Persuit of Happyness (幸福の追求)
公式サイトhttp://www.sonypictures.jp/movies/thepursuitofhappyness/
試写会場: 一ツ橋ホール
監督: ガブリエレ・ムッチーノ
主演: ウィル・スミス 、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス 、タンディ・ニュートン 、ブライアン・ホウ 、ジェームズ・カレン 、カート・フラー
製作国:アメリカ (2006年)

<ストーリー>
時は1970年代後半、骨密度測定器のセールスマンをしているクリスは、最近不況のせいで大量に仕入れた測定器がまったく売れずに、家賃や税金など滞納していた。
妻のリンダは毎日16時間も勤務して生活を支えていたが、ついに耐え切れずに息子のクリストファーを連れて出て行こうとする。
しかし28歳になるまで実の父親に会ったことがなかったクリスは、息子に同じ思いをさせたくなくて息子だけはおいて行くように懇願し、二人だけの生活が始まる。
クリスは昔から頭が良くて特に数学が得意で、当時流行していたキュービックルーブを瞬く間に一面揃えるほどだった。
セールスがうまくいかないときに街で目にしたのは、証券会社に勤める裕福で幸せそうなブローカー達の顔。
それを見てブローカーのトレーニーになることを決意し、面接に合格するが、トレーニー中は6ヶ月間無給なのを知り、家を追い出されて行くあても無いクリスはこの先どうするか呆然とする。
(公開前のため、ストーリーはここまで)

<感想>
正直、すごい面白かった。
実話に基づいたストーリーでここまで面白い映画はほとんど見たことが無い。
なんと言っても主人公のクリスが実に誠実でまじめで、今まで勝手に持っていた貧困なアフロアメリカンに対する偏見が一掃された。
今までの映画だと貧しい黒人は必ず泥棒などの犯罪を犯すが、小さな25セントのチョコバーですらクリスは血を売って得たお金で払う。
こんな誠実な人もアメリカにはたくさんいるんだってことを、もっと映画で宣伝して欲しい。
そうじゃないと、私たち日本人は勤勉なアメリカ人は少なくて、カウチでポップコーン食べながらテレビ見ている人間ばかりだと思ってしまう(ってそれって私だけ?)。
実話じゃなかったとしても、とってもいい映画です。

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悪夢探偵

Akumu
点数: 55点
公式サイト: http://www.akumu-tantei.com/
映画館: チネチッタ川崎
劇場: チネ9
監督: 塚本晋也
主演: 松田龍平 、hitomi 、安藤政信 、大杉漣 、原田芳雄 、塚本晋也
製作国: 日本 (2006年)

ストーリー
ある夜、自殺志願の少女が同じ自殺希望者の男と携帯で話した後、自分で自分を切り刻んで死んでしまう。
部屋には鍵がかかっており、一見ただの自殺に見えたが、初めて現場の仕事についた慶子(hitomi)には、何か別の人間が死にからんでいるような気がした。
翌日別の自殺志願の男性が、同じように自分を切り刻んで死んだ。
部下の若宮(安藤政信)とともに、人の夢の中に入る能力がある影沼(松田龍平)に、夢の中の捜査を依頼するが、影沼自身もこの世に嫌気をさしている自殺志願者であり、依頼を断る。
自殺した二人が死ぬ寸前に「0」という男に電話していたことを知り、若宮が「0」に自殺志願者を装って電話する。
若宮が眠ると同じように死んでしまうと直感的に思った慶子は、非番であったにもかかわらず若宮がいる署に向かい若宮を救おうとするが、影沼もいる目の前で若宮は自分で自分の首を切って死んでしまう。
(公開間もないため、ストーリーはここまで)

<感想>
はっきり言ってB級映画。
ストーリーや言いたいことがよくわからないし、監督の趣味で作っているとしか思えない。
多分現代の人間の精神が病んでいることを、こうゆう形で表現したのかもしれないけど、ちょっと通常の人には理解しづらいなあ。
映画よりも、この映画を上映したチネチッタとこの映画を観に来た観客のほうに感心してしまった。
154席のうち7割くらい客が入っている上に、エンディング・ロールの間も席を立つ人がほとんどおらず、こんなB級映画をシネコンで上映してくれるチッタもすごいけど、それを観に来る観客(自分も含めて)の熱心さにびっくり。
やっぱりチッタで上映してくれるマイナー映画は、見逃せません。

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ディパーテッド

Departed_1
点数: 60点
原題: The departed (故人)
公式サイト: http://wwws.warnerbros.co.jp/thedeparted/
映画館: 109シネマズ川崎
劇場: シアター7
監督: マーティン・スコセッシ
主演: レオナルド・ディカプリオ 、マット・デイモン 、ジャック・ニコルソン 、マーク・ウォールバーグ 、マーティン・シーン 、レイ・ウィンストン
製作国: アメリカ (2006年)

ストーリー
ボストンのマフィアのトップに立つフランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)の組織を一網打尽にしようとする州警察は、ビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)を潜入捜査官としてコステロの組織に送り込む。
コステロはその頭の良さゆえに自分の手下として育てて来たコリン・サリバン(マット・デイモン)を警察に送り込む。
警察学校を卒業後、瞬く間に出世して自分の小さなチームを持つようになったコリンは、州警察で精神科のカウンセラーとして働くマドリン(ビーラ・ファミーガ)と州の議事堂が見える部屋に一緒に暮らし始める。
一方潜入捜査官として精神的に参っているビリーは、マドリンの診療所でカウンセリングを受けるうちに、マドリンと精神的に惹かれあうようになる。
警察署内にいるコステロの犬を探す役目になったコリンは、コステロからはコステロの組織にいる潜入捜査官が誰かつきとめるように指示され、板ばさみになって精神的にだんだん参って行く。
(公開間もないため、ストーリーはここまで)

<感想>
原版の『インファナル・アフェア』は香港映画ということもあり精神的に非常に理解できたのに対し、『ディパーテッド』は、アメリカ社会とアメリカ人の精神が理解しにくいため、日本人は感情移入しにくい。
日本でも『インファナル・アフェア』は大ヒットして、当然そっちを観た人が観客の中にもたくさんいるため、上映後にいろいろ比較して文句を言う人の声が聞こえた。
精神的に追い詰められている気持ちや、いつ殺されてもおかしくないという緊張感は『インファナル・アフェア』のほうが圧倒的に良かった。
『イルマーレ』もそうだけど、他国の映画をアメリカ映画でリメイクして原作より良くなった映画ってあるのかな?
アメリカ人向けに理解しやすくなるだけで、アメリカ以外の外国人にとっては原作のほうがよっぽどいいような気がする。
多額のリメイク権を買ってつまらない映画に作り直すよりも『ラッキーナンバー7』みたいな、アメリカっぽいアメリカ娯楽映画をどんどん作ったほうがいいのに。

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愛の流刑地

Airuke
点数: 68点
公式サイト: http://www.ichibun.jp/
映画館: キネカ大森
劇場: 1
監督: 鶴橋康夫
主演: 豊川悦司 、寺島しのぶ 、長谷川京子 、仲村トオル 、佐藤浩市 、陣内孝則
製作国: 日本 (2006年)

ストーリー
都会のマンションの一室で、ある朝あつ男が情事の最中に女に「殺して」と懇願されて女の首を絞めて殺した。
男は、作家の村尾菊治(豊川悦司)、女は3人の子供を持つ主婦冬香(寺島しのぶ)。
2人は一年前、元編集者の女性(浅田美代子)を通じて京都で知り合った。
検事の織部(長谷川京子)は、菊治と冬香の情事と自分の思いでと重ね合わせ菊治を執拗に憎みながら真相を探ろうとする。
菊治は裁判が進むうちに、自分を裁くべき裁判なのに、愛する冬香が裁判の中で別の人格者として扱われることに不快感を覚える。
(公開間もないため、ストーリーはここまで)

<感想>
主役二人のセックスシーンが多いことで話題になっている映画で、確かに映画の中で何度も何度も情事シーンが繰り返され、正直もういい加減止めてくれ!!ってまで思った。
途中の裁判シーンも「ゆれる」と比べるとあんまり切迫感が無く、うーんってカンジだったけど、ラストの落ちが良かった。
一緒に見たダンナと私では見方が違ったみたいだけど、私としては菊治が冬香の胸のうちにあった罪を冬香に背負わされたのだと思う。
ラスト以外は、あんまり胸に残らなかった。豊川悦司って「LOFT」も知的な殺人者の役だったよね。なんか妙に型にはまっている。

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フリーダムランド

Freedomland
60点
原題: Freedomland (自由の国)
公式サイトhttp://www.sonypictures.jp/movies/freedomland/index.html
試写会場: よみうりホール
監督: ジョー・ロス
主演: サミュエル・L・ジャクソン 、ジュリアン・ムーア 、イーディ・ファルコ 、ロン・エルダード 、ウィリアム・フォーサイス 、アーンジャニュー・エリス
製作国:アメリカ (2006年)

<ストーリー>
ある晩、病院に手のひらを血だらけにした女性が入って来た。
彼女がいうには、路上で車をカージャックされ、その車の中に彼女の幼い息子が眠っているという。
ニュー・ジャージー州のとある巨大黒人団地出身のロレンゾ刑事が彼女の担当となり、彼女から話を聞くと、その事件はその彼の島である団地内で起きたという。
普段からその団地をよく思っていなかったまわりの管轄警察署が一緒になって一斉に団地を封鎖し、彼女の証言が思わぬ波紋を生んで行く。団地の住人を大事に思うだけでなく、ロレンゾ刑事は当初から彼女の証言に疑問を抱いていた。
(公開が先のため、ストーリーはここまで)

<感想>
サスペンスドラマとなっているが、話の筋が途中から読めてしまう点や、最後の終わり方を見てもサスペンスというよりも、心に傷を負った人間の心の内側を探るお話。
主演のサミュエル・L・ジャクソンはこの容姿でどうやって主役になれるんだろう?と黄色人種の私から見ると疑問がいっぱいだが、それなりに味のある俳優さんなんでしょう、きっと。
主役のジュリアン・ムーアも、可愛そうで貧しい母親役のメイクのせいか容姿がひどすぎ!
ここまで書くとこの映画がダメダメみたいに聞こえるかもしれないが、普段あまり目にしないアメリカ社会を知るのにはとっても参考になる映画。
貧しい団地に半分ボランティアみたいな託児所があることとか、アメリカでも管轄の刑務所同士で島の取り合いをしているんだとか、さらに行方不明者を探すボランティア団体の活動など、知らなかったことがいっぱい知れて面白い。映画を見に行くというよりも、アメリカ社会の勉強にはとってもいい参考書的な映画だと思う。

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バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

Bubble
72点
公式サイトhttp://www.go-bubble.com/
試写会場: TOHOシネマズ六本木
監督: 馬場康夫
主演: 阿部寛 、広末涼子 、薬師丸ひろ子 、吹石一恵 、伊藤裕子 、劇団ひとり
製作国:日本映画 (2006年)

<ストーリー>
2007年の現代。日立製作所で製品の研究をしている田中真理子(薬師丸ひろ子)の娘・真弓は、生まれたときから父親がおらず、そのせいで母親に反抗的に育ち、今は元彼が作った200万円の借金の取立人・田島(劇団ひとり)に追われる日々。
そんな中、母親が突然死んで、葬式をやっいる最中に財務省の下川路(阿部寛)が現れた。
下川路は真弓にある重大な任務を伝える。
それは母親・真理子が開発したドラム式洗濯機型のタイムマシンに乗って1990年3月に行って、ある事件を止めること。
携帯電話と身の回りのものを持って1990年に戻った真弓は、現代では考えられないバブルな時代を目の当たりにする。
(公開が先のため、ストーリーはここまで)

<感想>
完成披露・舞台挨拶付試写会で見ました。
実は、正真正銘ばりばりバブル世代の私。
当時のことは私が思うに普通の出来事だったけど、今から考えると確かに変な点がいっぱい。
例えば、200万円を大金と思わないとか、学生なのにクルーザーでパーティを開いちゃうとか。そんなこと普通にあったわけです。
でもとっくにそんなこと忘れちゃっているので、映画を観る視点としては主人公の真弓より。
携帯無いと待ち合わせ不便だとか思うけど、昔は携帯なんか無くてもちゃんと待ち合わせできたわけで、つまり今と昔、どっちがいいかわからないわけですよね。実際今日も相手が携帯忘れたために待ち合わせに困ったし、、、、。
テレビ局制作の映画は、テレビドラマでもいいんじゃないかと思う作品が多いですが、この映画は映画じゃないと出来なかった点が多々あり、映画として制作して正解だと思う。
タイトルがイマイチなので、映画ファンにウケるか微妙だが、がんばって邦画人気に一役買って欲しいです。

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