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太陽

Thesun
95点
原題: The Sun(太陽)
公式サイト: http://taiyo-movie.com/
映画館: チネチッタ川崎
劇場: チネ10
監督: アレクサンドル・ソクーロフ
主演: イッセー尾形 、ロバート・ドーソン 、佐野史郎 、桃井かおり 、つじしんめい
製作国: ロシア/イタリア/スイス/フランス(2005年)

<ストーリー>
1945年、太平洋戦争末期、ある男が地下壕で朝食を取っていた。傍には、彼の世話をする従事と待従長(佐野史郎)がいた。彼の名は日本国天皇ヒロヒト(イッセー尾形)。
彼が自分の姿がみんなと同じだと言うと、従事達はそれを否定し、彼は生神だと主張する。
御前会議で陸軍大将が地上戦まで持ち込むつもりだと言うのを内心悲しく思うヒロヒトだが、明確にをれを主張することはなかった。
ある日ヒロヒトが恐れていた米軍がやって来てマッカーサーの待つ場所に連行される。
通訳者がヒロヒトに対して限りなく低姿勢なのに対してマッカーサーは初めて会う生神にとまどっていた。
ヒロヒトは自分がどんな処遇も受け入れる用意があることを告げる。
また別の日は、雑誌社の記者がヒロヒトの撮影に、地下壕の上にある植物園にやって来て、ヒロヒトをまるで映画スターのようだと言いながら普通の人を撮影するかのようにふるまう。
マッカーサーとの夕食のとき、マッカーサーが席をはずした際に子供じみたしぐさをするヒロヒト。
彼は何を質問されても、2テンポくらい遅れて返答するほどじっくり物事を考えてから答えるのだった。
疎開していた皇后が帰って来て、自分は神じゃなくなったことを告げ「これからは自由だ」と喜ぶ。
しかし、彼の人間宣言を録音した技師が自決したことを知らされる。

<感想>
これといった大展開があるわけでもなく、派手な演出もなく、ただ淡々と短い日々が進んでいく映画。
ここまですごい映画だと期待していなかったが、予想以上にすごかった。
それはイッセー尾形の名演につきると思う。
彼はずっと舞台で一人芝居を演じていたが、その演技が孤独な天皇を演じるのにすごく適していると思う。
彼の周りには常にたくさんの人間がいるが、実際は家族以外は誰も心から自分のことを思ってくれているわけじゃいことを知っている。
いろいろ世話をしてもらったり、自分の代わりに自分の言葉を代筆する人間がいても、彼は常に一人ぼっちなのだ。
ほとんどのセリフが日本語で、日本映画じゃないかと錯覚するが、蚊やラジオの音の演出や、空襲の映像がいかにもヨーロッパ風で芸術的だ。
今年見た外国映画では間違いなく私のベスト3に入る作品だ。

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